新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の水際対策として、全世界を対象に30日から外国人の新規入国が禁止された。国内の感染が落ち着き、入国規制緩和への期待が高まっていただけに、岐阜県内では、外国人留学生、技能実習生を受け入れる福祉事業者は落胆。コロナ対策に翻弄(ほんろう)される観光事業者は複雑な心境を明かした。

 介護施設を展開する社会福祉法人和光会(岐阜市寺田)は、来年1月中旬にインドネシアとネパールから特定技能実習生10人を受け入れる予定だった。来日後に14日間待機する場所を確保し始めていたが、中断する。担当者は対策への理解を示した上で「介護現場は慢性的な人手不足が続く。時機をみて再調整したい」と話した。

 岐阜大(岐阜市柳戸)では昨年4月以降、留学生のうち91人が来日できていない。11月上旬の入国規制の緩和を受けて速やかに入国できるよう文部科学省への申請書類をまとめる作業に入っていたが、一部は中断せざるを得ないという。担当者は「留学生の安全を第一に、受け入れ準備を全力で進めたい」と語った。

 外国人に人気の観光地、高山市の大手旅館は、来春から夏にかけ外国人客の予約が入り始めていた。日本国内で感染が落ち着き、入国制限が緩和されることも見越した外国人客とみられ、最近は問い合わせの多さにも苦慮していたという。

 今後は水際対策の強化の影響を注視していくことになるが、窓口担当の男性社員(29)は「外国人の受け入れが始まれば、クラスター(感染者集団)発生のリスクが高まり、マスクの習慣をめぐる国内客とのトラブルも想定されるので(対策の強化は)正直ほっとしている」と複雑な心境を明かした。