再審請求後に記者会見する前美濃加茂市長の藤井浩人氏=30日午後、名古屋市中区、桜華会館

 岐阜県美濃加茂市の浄水設備導入を巡り元業者から現金を受け取ったとして、事前収賄などの罪で有罪が確定した藤井浩人前市長(37)が30日、無罪を主張して名古屋高裁に再審を請求した。判決の根拠を支えた元業者の知人の証言は検察官に誘導されたもので、証拠能力はないとしている。藤井氏は名古屋市内で会見し「無実の罪を晴らしたい」と語った。

 代理人弁護士によると、元業者の知人による新たな証言などを新証拠として提出した。知人は昨年10月、弁護士の聞き取りに「確証のない事柄を前提に、当時は検察官の筋書きに沿って話した」といった趣旨の証言をしたという。

 確定審で知人は「元業者から『藤井氏に現金を渡した』と聞いた」と供述しており、有罪判決の有力な証拠となった。しかし、弁護士によると、供述の根拠は担当検察官から「あなたが(元業者に)貸した50万円のうち、20万円が藤井氏の口座にすぐに入金された」と虚偽を告げられていたためで、元業者が藤井氏に現金を渡したと思い込んでいたという。

 会見で藤井氏は「一日も早く事実ではない認定を覆し、ぬれぎぬを解消したいと思ってきた。多くの人に現実を知ってもらい、裁判官がどう判断するかを見てもらいたい」と話した。

 確定判決によると、藤井氏は一審名古屋地裁で無罪となったが、二審名古屋高裁が元業者の供述の信用性を認めて一審判決を破棄、懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円を言い渡した。最高裁は2017年、藤井氏の上告を棄却する決定をした。