11月に岐阜、愛知で開催された「ラリージャパン」は楽しまれただろうか。現地で見ることができた人もテレビやパブリックビューイングで見た人も、世界最高峰の走りにきっと驚いたのではないか。
さて、ラリージャパンでモータースポーツの魅力に触れたところで、今度は実際に〝体験〟してみるのはどうだろう。実は誰もが気軽にレーサー気分を味わえる方法がある。それが「カート」だ。
バブル期の日本のF1ブームをけん引した伝説的ドライバーのアイルトン・セナ(ブラジル)、F1で7度の世界王者に輝いたミハエル・シューマッハ(ドイツ)をはじめ、多くのレーシングドライバーたちがカートからキャリアをスタートさせた。いわばカートはモータースポーツの入り口にして登竜門。そんなカートを貸し出してくれる「レンタルカート」を運営するサーキットが、実は全国各地に点在している。レンタルカートは、自動車免許を持っていない子どもから大人まで誰もが乗ることができるのだ。
10月、レンタルカート専用サーキットが岐阜県内にも初上陸した。土岐市土岐津町のイオンモール土岐内にオープンした「ISKイオンモール土岐店」。そこでカート経験のある記者が、未経験の後輩を誘って体験をしてきた。
カートとはパイプフレームにタイヤ、エンジン、バケットシートを取り付けた極めて簡素な構造の競技車両。「最高時速は約60キロだが、ドライバーの目線が低いため倍以上のスピードを体感できる」と山田洋一郎店長代理。同店では、いきなり速いカートに乗れるわけではなく、速度を制限したリミッター付きのカートから乗り始める。ドライバーの上達度に応じてリミッターが緩くなるので、「徐々にスピードに慣れていきたい」という初心者も安心して始められる。運転に必要なヘルメットやグローブは店で借りることができ、服装に関しては長袖、長ズボン、靴はサンダルやハイヒール、厚底以外のものであれば問題ない。
さて、半ば強引に誘われて乗ることになった後輩の玉田健太記者だが、普段はマニュアル車を乗りこなすドライブ好き。カートの操作方法についてビデオ講習を受けると、いよいよコースインだ。上限速度は30キロに調整されていたが、恐る恐るアクセルを踏んでいるのが見て分かる。「めちゃくちゃびびってるやん」。カートから降りた玉田記者の第一声は「ハンドルがめちゃくちゃ重くてびっくり。時速30キロとはいえ、コーナーが近づくとアクセルを踏むのが怖いぐらい」と一般の車との操作感の違いに驚いた様子だった。
ところが、最初の走行で感覚をつかんだのか、2回目の走行ではしっかり上限までアクセルを踏めている様子で、コーナーでもスピードを乗せて曲がれるように。「普段の運転とは違う目線、路面からダイレクトに伝わってくる振動がすごく楽しかった」と話し、カートの面白さの一端を知ってもらえたようだった。
同店など全国5店舗を運営するISK(静岡県浜松市)の村野陽子常務は「アクセルを踏めば非日常の体験を楽しんでもらえるのがカートの魅力。この店では2歳から大人まで幅広い人に乗ってもらうことができるので、ぜひ友人を誘って遊びに来てほしい」と来店を呼びかける。
どんな競技も「見る」から「する」へ一歩踏み出すことで、新しい世界が開ける。カートを通じ、モータースポーツをもっと身近に感じてもらえたら幸いだ。









