記者:地域の祭りに顔を出したり、葬儀に参列したり。そういうのも大事だそうで。

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 河村:もちろん、あります。お付き合いですね。呼ばれることもあれば、こちらから出向くこともあります。

 記者:地方では議員のなり手がいないと言われますが、20代、30代でもキャリア形成の中で議員を経験してもいいのではと思います。

 河村:そうですね。でも議員って、市町村でも市議会議員と町村議会議員で立場に違いがあるんですよ。市議は比較的、若い人でもなっています。ある程度の議員報酬があるから。でも町村議は、議員だけで生活できるぐらいの報酬があるかというと、ないんですね。そうすると難しい。だから若い人がやらない。当時、私は学習塾を経営していて自営業だったからできただけで、会社員の方でもできるかというと、うーん、どうだろうと思います。

「自分で時間調整できる仕事の人でないと、町議を務めるのは難しい」と話す河村憲良さん=可児市内

 記者:会社員との掛け持ちは、やっぱり難しいですか?

 河村:そうですね。当然、議会は平日に開かれますし、その度に有給休暇を取って出席するのかという話になりますし。それ以外にも住民の方、特に高齢の方は朝が早いので。早朝、電話が鳴って「ちょっと来てくれ」と。会社員だとなかなか動けず、自分で時間調整できる仕事の人でないと難しいかなと思います。

 記者:町長をはじめ、役場の幹部には年配のベテランが多く、地域では高齢の方ともやり取りをしないといけない。若いと、そういう難しさもあるかと思いますが。

 河村:いや、それに関しては田舎のいい点なんですけど、昔は『なんや若造が生意気だ』っていう風潮もあったと思いますが、今は逆に少子化で、若い人が田舎にいないので。古里に残って頑張ろうという若者には、みんな優しいんですよ(笑)。みんなで育てよう、みたいな意識があって。

 記者:おぉ、時代はそこまで。やってくれるなら若者に任せようと。そういう雰囲気なんですね。最後に、地方議員に挑戦しようという若い人たちにメッセージを。

 河村:若い時に議員を経験するのは、いいことだと思います。ただ、議員を〝家業〟にしてしまうのはダメです。30代で議員になって、世間でいうところの定年まで何期も続けようと思って議員になってはダメ。若くして議員になれば、議員を辞めてもまだバイタリティーが残っていますから。

 例えば、町議でもこれからの国の方針、こういう法律が制定されるという情報にいち早く接することができます。町のために頑張ろうと勉強した知識や経験は、議員を辞めても自分の人生の財産になる。「地域起業家」を名乗っていますが、元々は十何年、学習塾しかやっていませんでした。でも、地域でいろんな事業を手掛けるようになったのは、議員をやっていた時の社会問題の解決策を、違う形で実践しているからです。そこで得られた知識や経験を辞めた後のキャリアで生かし、別の形で地域に貢献していく―。それも一案ではないかと思います。

 

 河村憲良(こうむら・のりよし) 1976年、八百津町生まれ。国立遺伝学研究所などで生物学を研究。2003年に八百津町に帰郷し、04年から学習塾を運営。元八百津町議。現在は、町議の経験を生かし、学習塾のほか、地域に根ざしたビジネスを県内で多角展開している。株式会社FiveBoxes社長。