4年に一度の「統一地方選挙」が始まった。岐阜県では、今月31日告示の県議会議員選挙(4月9日投開票)を皮切りに、4市4町村の市町村長選挙、9市8町村の市町村議会議員選挙(補選を除く)が予定されている。例えば議員選挙では、各地で現役議員や議員を目指す〝新人〟らが立候補し、次の4年間の議員を票の多い順に決めるわけだが、そもそも「地方議員」って、どんな職業なのだろう。若い人もキャリア形成の一環で20代、30代のうちに経験しておいてもいいのでは? 統一地方選企画「地方議員になろう!」。この企画ではどんな人が議員を目指すのか、その分析と、議員選挙に挑戦した人、議員を経験した人のインタビューを計3回に分けてお届けする。
スマホ見せてグルメ・買い物お得に 岐阜新聞デジタルクーポン 地方議員は、県議なら県の行政、市町村議なら各市町村の行政について住民代表として議会に出席し、予算や条例などを審議したり、住民の声を届けて政策に反映させたりする役割を担っている。どういう人が立候補するのだろう。今回の統一地方選で行われる県議選と市町村議選の立候補予定者を数値化してみよう(立候補予定者数は本紙の取材に基づく)。
県議選は、立候補関係者説明会に61陣営が出席したが、事前に出馬表明しているのは男性53人、女性6人で現職41人、元職1人、新人17人。年齢は60代(18人)、50代(15人)、40代(11人)の順に多い。現職・元職のこれまでの当選回数は、当選1回が10人と最多で4回の8人がそれに続く。13回という人もいる。職業は会社・団体役員や自営業が多い印象だ。
一方の市町村議選。あくまでも見通しの段階だが、年齢は60代(123人)がダントツで70代(63人)、50代(57人)と続くものの、30代は22人、20代は2人しかいない。職業は市町村レベルになると元市町職員、元教員、元会社員のほか、農業や塾講師が増えてくる。現役の会社員も少なくない。
もちろん、県議や市町村議になるには、選挙で当選しなければならない。現段階で見込まれる当選倍率は、県議選では定数1に対して3人が立候補予定の不破郡選挙区の3倍が最高。次いで定数1に2人が立候補予定の本巣市選挙区が2倍。各務原市が1・6倍。大垣、多治見、中津川、高山市が1・5倍。岐阜市は1・2倍だ。そもそもとして県内26選挙区中、17選挙区は〝無投票〟の見通しだ。定数を超える立候補がない場合は、投票を行わずに立候補者全員が当選となる「無投票当選」となる。
市町村議選では1・5倍を超える自治体はなく、現職の引退などもあって定員割れしそうな自治体さえある。よほどのことがない限り、高倍率にはならなそうだ。一度、チャレンジしてみてもいいかもしれない。だが、例えば昭和の頃、こんな〝珍事〟もあった。長野県の旧神坂村が、岐阜県の中津川市に越県合併するかしないかで大荒れになり、結果的に両県に分村。長野県に残った村の半分は旧山口村と合併したが、村内で越県合併派と反対派が対立した。そして、互いの思いを村政に反映させようと、村長選に36人、村議補選に64人が立候補する異常事態に発展した。この時はすさまじい倍率になったが、裏返せば誰でも志さえあれば自由にチャレンジできるのが選挙だとも言える。
立候補の条件は、県議選、市町村議選ともに満25歳以上の日本国民で、その地域に3カ月以上住み、選挙権を持っていること。それと、供託金(県議選60万円、市議選30万円、町村議選15万円)だが、難関大学を出ていないと書類選考で落ちるだとか、筆記試験をクリアしないといけないだとか、資格や免許が必要だとか、そういう条件はない。
報酬は、岐阜県は県議が全国8位の月額85万円。市町村議は地図で色分けした通りで、県内42市町村のうち岐阜市の65万円が最多。関ケ原町の16万円が最少。関ケ原は、東白川村と白川村の18万円より少ない。市と町村で分けると、市議は平均38・2万円、町村議は平均22・1万円で約16万円の差がある。これらは「議員の月額報酬」だが、これに期末手当が加算されたり、副議長や議長などになると報酬が割り増しになったりする。
この報酬、20代、30代ではどうだろう。もちろん、県議の85万円や岐阜市議の65万円という金額は十分すぎるだろうが、30万円以下の自治体は―。「20代、30代の若手か、65歳以上の年金組なら月30万円でもやっていけるかもしれない。でも40代、50代で妻子がいて、子どもが大学に通うとなると厳しい。町村議だと、もっと大変」。こう話すのは、県内某市(東濃)の現役市議。「地元で祭りや葬儀が重なれば、月に10万円を超える出費もある。いわゆる〝どぶ板〟も渡らないと。市議会で市政をただしているだけでは票が入らないよ」と続ける。
だが、会社員との兼業にしようにも「議会は平日開催。仕事を休んでばかりいられず、できてもアルバイトぐらい」といい、若い人が議員になっても「役所の部長級ともやり取りしないといけない。60代、70代だと先輩扱いしてくれるけれど、若手が厳しく言うと腹の中で『なんや、この野郎』と思われてしまう。若い人ほど人望がないと」。そうアドバイスする。
住民代表として活動する議員。当選倍率は低そうだが、その仕事は想像以上に大変なのかもしれない。残り2回は町議選に挑戦した人、町議を経験した人に話を聞く。




