幻の生物・ツチノコを探すイベント「つちのこフェスタ2023」が3日、岐阜県加茂郡東白川村で開かれる。新型コロナウイルス感染症の拡大といった影響を受けて中止が続き、開催は実に4年ぶりとなる。今回からは運営方法を見直し、事前予約制として参加者を制限。すでに予約は締め切られており、人気の高さがうかがえる。今年のイベントは参加できないが、もしかすると姿を見せるかもしれないツチノコを目当てに新緑の東白川村を訪ねるのもおすすめだ。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」31回目となる久々の大捜索で、いよいよ「ツチノコ発見」の報告が届くかもしれない。そんな吉報に備えて、全国のファンを引きつけている東白川のツチノコの由来や背景、魅力を改めて知ろうと東白川村を巡った。(デジタル報道部・原田大介)
きっかけは村広報の「ツチノコ特集」
東白川村のツチノコが全国的に注目を集め始めたのは1989年ごろ。当時、村発行の広報紙がへび年に合わせ、ツチノコを紙面で特集したことがきっかけとされる。その当時の広報を読むと「灰色で銀色に光る珍蛇」「間違いなくツチノコだ!」との見出しとともに、村民たちの生々しい目撃証言が並ぶ。
広報紙のツチノコ特集以降、多くの村民が目撃情報を語り始めたことにより、マスコミ各社が着目。各メディアで取り上げられたことで、「ツチノコの村・東白川」が広く知られるようになったという。
約30年前にツチノコを目撃したという村在住のパート女性(74)に話を聞くことができた。当時、手入れのために茶畑へと赴いたところ、ツチノコらしき生物に遭遇したという。「ビールの小瓶を少し大きくしたくらい。尻尾も短くてヘビではなかった」と証言する。目を離した隙に姿を消したといい、帰宅後に家族に話したら「それはツチヘビだと言われた」と振り返る。ツチヘビはツチノコの別名だ。「若い人で目撃した人はいないと聞く。今度見ることがあれば、じっくりゆっくり観察したい」と穏やかに語る。
ツチノコは「神の使い」? お寺がない、神道の村独特の信仰か
ツチノコ情報を求めて、ツチノコに関わる資料が集まる「つちのこ資料館」を併設する、同村神土の「つちのこ館(やかた)」を訪ねた。地元の物産を販売する店舗で、特産品の「美濃白川茶」や果物や野菜のジュースが並び、多くのツチノコグッズも販売されている。
全国唯一の「つちのこ資料館」がある「つちのこ館(やかた)」=岐阜県加茂郡東白川村神土
同館を運営するふるさと企画の村雲和裕さん(60)によると、かつて村内ではヘビの目撃談を語ると災いがあるとされ、村民はヘビに似たツチノコの目撃談を口にすることが控えられていたらしい。「ツチノコブームの高まりで、村民が積極的に目撃談を語れるようになったのでは」と村雲さんは解説する。それまで村内では「つちへんび」などの呼び名で目撃自体はあったものの、すすんで目撃談を語る機運がなかったのが背景ということだ。
目撃談を話すことがはばかられていたのには、東白川村が神道の村であるとする考えもある。村雲さんは「東白川は神道の村で、お寺がない。お葬式も神式で、焼香ではなく玉串を奉てんする」と話す。明治政府が推し進めた廃仏毀釈。この地域を治めていた苗木藩は、特に苛烈な神仏分離を進めたとされる。2カ所あった村内の寺は廃され、今も復興されていない。資料館の資料などによると、神道では色などが特徴的な生き物は信仰対象にされやすく、ツチノコは神の使いとして考えられて、神道の村でもある東白川では信仰対象になった可能性があるというのだ。







