【大垣商11―2大垣西】
【2024高校野球岐阜大会】特集ページはこちら!「ファーストストライクから積極的に打つ」。大垣商のチームテーマを着実に実践した主将草ノ瀬敢心のいきなりの先頭打者二塁打が一気に波に乗せた。草ノ瀬は準々決勝まで5番だったが1番に抜てき。4番でスタメン起用された小山塁生も3打席連続安打するなど、有賀竜也監督の打線組み替えが見事に奏功した。〝レフティー三銃士〟の投手力の大垣商に攻撃力という武器が加わった。
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積極打撃が生み出す流れは止まらない
準々決勝の大垣東戦は延長タイブレークの十一回に4点を挙げて5―2で勝利したが、9回まで1得点と苦戦。今夏の経験者が多い打線だが「球を見過ぎて、消極的になっていた」と有賀監督。打撃練習を徹底するとともに個々が積極的な打撃への意識を高めた。さらに「元気がよく、調子のいい選手から使う」と有賀采配。草ノ瀬の後の2番には6番だった松下瑛太、長打力があり、振りが鋭い日比颯真は3番に据え置き、小山を4番に入れた。
対する大垣西は前の試合の準々決勝で、エース渡辺照太郎に強襲安打が直撃して左足を骨折するアクシデントで、先発は1年の加藤瑠唯。退場した渡辺の後を受けて好投したが、生まれ変わった大垣商打線が襲いかかった。
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先頭の草ノ瀬。1ボール後の2球目は高めのストレート。狙いすましたように右中間を突き破って二塁打すると、松下はバントヒット。日比の豪快なスイングによる中犠飛で先制すると小山は左前適時打。大垣商の勢いは止まらない。2打席目が回ってきた草ノ瀬、今度は右前適時打し、日比の1イニング二つ目の犠飛で9点目のホームを踏んだ。この回打者14人で計8安打。「いい形で、どんどん振っていき、つながった」と笑顔のリードオフマン。だが、「二回以降は2点しかとれなかった」と次戦以降への反省も忘れない。
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個性的な〝レフティー三銃士〟 投打で描く成長曲線
大垣商は今夏の3回戦、強打の県岐阜商を苦しめた近藤颯俊、高橋優斗の2人に加え、この日先発した篠田諭良と高校野球では珍しい3人もの左投手を擁する。リードする草ノ瀬は「近藤は変化球でうまくタイミングを外し、高橋はテンポよくストライクゾーンにどんどん投げ込む。篠田はストレートで押すタイプ」と同じ左腕でも三者三様のあふれる個性を強調しながら「それぞれに課題があるのも事実」と高い目標を見定める。
有賀監督は投打にわたる成長曲線を実感しながらも「3度併殺できない場面があり、送球エラーもあった。守備力を高めないと」と気を引き締める。戦うたびに成長するのが秋の大会。次は、どんな成長をみせるのか、地区1位決定戦が待ち遠しい。