「好きです笠松競馬」のTシャツ姿で再登場したミルコ・デムーロ騎手と川又賢治騎手

 トークショーの第2ステージ。ミルコ・デムーロ騎手と川又賢治騎手は、笠松競馬のスタッフが着用するTシャツ姿で再登場し、くるりとターン。背中の「好きです! 笠松競馬」の文字が、いつも以上に輝いて見えた。

 暑さに降参したのか、第1ステージのダンディーな姿から、軽装になって「笠松モード」全開となった2人。サマーイベント満載のお盆開催に加えて、ミルコ人気もあって来場者は2000人近くと大入りだった。

 ―ミルコさん、日本のファンはどうですか。

 ミルコ騎手 すごく温かいです。(スタート地点で)輪乗りをしていてファンファーレが鳴ると、すごい声援で気持ちいいです。テンションが上がるね。

トークショーを盛り上げるミルコ騎手

 ―休みの日はどうしていますか。(きょうは月曜日ですが)

 ミルコ騎手 (土日のレース後で)いつも月曜は休みで、寝てます。お酒は強くないので、そんなに飲まないけど、日曜の夜には飲みます。夏場は忙しくて、(ローカル開催が多くて)移動が大変です。

 川又騎手 休日には琵琶湖とかでウエークボードもやってます。若いんでね。日曜はレースが終わったら、みんなで飲みに行きます。

 ミルコ騎手 海で泳ぐことは大好きで、僕のパワースポットです。海の中で、馬に乗ったこともあります。三浦海岸でね。(乗馬を体験できるそうだ)

 ―ミルコさんはJRAで今年103勝(8月12日までに)を挙げて、通算では878勝ですね。

 ミルコ騎手 絶好調ですが、この土日は1勝ずつだったんで満足してない。もっと勝ちたいです。

 ―アンカツさん(安藤勝己元騎手)にも聞いたんですが、2人にとっての思い出の競走馬ベスト3を教えてください。

 ■ミルコ騎手のベスト3 

【3位 ネオユニヴァース】(03年の皐月賞、日本ダービーで2冠)皐月賞で初めてGⅠを勝たせてくれて、日本ダービーも取った。ダービーは特別。初めてで素晴らしかった。その子どものヴィクトワールピサでドバイWC(11年)を勝ったよ。 

【2位 ディープインパクト】(レースでの騎乗はなかったが)ちょっと違ったね。馬体もコンパクトできれい。後ろからビューッと伸びて、半馬身差ぐらいで勝つ。競馬はやっぱり、後ろから差し切った方が気持ちいいです。

【1位 ドゥラメンテ】(15年の皐月賞、日本ダービーで2冠)日本のジョッキーになった年で、クラシック2冠に。瞬発力がすごくて、あっさり差し切っちゃう。ちょっとやんちゃな馬だったが、乗っていて楽しかったし、大好きだった。相性が良かったね。

トークショーの特設ステージ前に詰め掛けた大勢のファン

 ミルコ騎手 1番人気になっても、乗るのが嫌な馬もいる。(勝てそうにないから)お客さんがかわいそうだと思いながら、レースに出ることもあるよ...
 (出ました、ぶっちゃけトーク。会場は大爆笑)

 それでもこれからも、もっと勝ちたいし、笠松でも勝ちたいです。

 (地方競馬でも活躍。自信があった佐賀サマーチャンピオンはタイセイエクレールで7着に終わったが、門別・ブリーダーズゴールドカップ(GⅢ)ではラビットランで見事に優勝)

 ■川又騎手のベスト3

【3位 ユウチェンジ】 森秀行厩舎の馬で、ドバイ・UAEダービー(モレイラ騎手で3着)へ一緒に行って、現地でも乗せてもらった。

【2位 マテラスカイ】 僕の初勝利を飾らせてくれた馬です。(ミルコさんは新馬戦で乗ったが勝てず、川又君には優越感もあるようだ)

【1位 キタサンブラック】 調教で1回乗させてもらいましたが、動きが違っていて感動しました

 川又騎手 これからも笠松にもっと来て勝ちたいです。

 笠松が大好きな川又騎手。地方競馬指定交流競走では、JRA騎手トップの8勝を挙げて独走中。そのうち笠松で7戦して4勝(2着1回、3着2回)と抜群の成績。地方での活躍が自信となり、JRAでも今年28勝と大ブレーク。若手の成長株として注目される存在になった。

 「笠松ではまだ勝ってない」と語っていたミルコ騎手。JRAでいっぱい勝って、忘れちゃったのかな。ちゃんと調べてみたら、やっぱり勝ってました。短期免許(JRA)で来日し、笠松デビューとなった2001年1月10日。2戦目の若松賞を1番人気・タニノジャドールで2番手から差し切り。しかもお世話になっていた森厩舎の馬。2着にアンカツさん、3着に藤田伸二騎手とかつての名手を従えていた。02年のオグリキャップ記念では、アグネスパートナー(森厩舎)で3着に食い込んでいる。

ファンにサイン入り帽子などをプレゼントするミルコ騎手

 ミルコ騎手にとっても、笠松は縁起がいい競馬場。初勝利後の01年2月3日には小倉で1日5勝と白星を量産。翌日の小倉大賞典をミスズシャルダンで重賞初V。アンカツさんがGⅠで3勝したダイワメジャーでは、ミルコ騎手が皐月賞を制覇している。

 15年ぶりとなった昨年4月の笠松では、地元騎手の包囲網で7着に敗れたが、その後の中央のレースで快進撃。宝塚記念(サトノクラウン)などGⅠを5勝。今年も大阪杯(スワーヴリチャード)を勝ち、JRAリーディングは現在2位だ。

 トークショー後には、ミルコ騎手のサイン入りグッズなどが当たる「じゃんけん大会」が予定されていたが、ファンが多過ぎて予定変更。300枚の抽選券が配られ、当選者に「お宝」をプレゼント。「笠松競馬トークショー記念」のミニゼッケンやゴーグル、帽子などを、ミルコ騎手がファンに手渡してスキンシップも深めていた。

 新潟、小倉でのレース翌日に笠松へ駆け付けてくれた2人のおかげで、トークショーは大盛り上がり。オグリキャップ像とイタリアンレストラン近くでの熱いトーク。笠松は、これからもミルコ騎手、川又騎手のパワースポットとなることだろう。

スタンド前、お盆開催で若いファンの姿も目立った笠松競馬場

 お盆開催の4日間で、入場者は約6500人で前年並みだったが、馬券販売額は計11億3400万円。昨年は5日間開催で9億1800万円。4日間で比較すると53%増とよく売れた。トークショーをはじめ、楽しいサマーイベントが盛りだくさんでにぎわった笠松競馬場。スタンド前の直線では、柵に寄り掛かってレースを観戦する若者たちの姿も目立った。