子どもたちに指導する南部好輝さん(左から2人目)と練習の様子を撮影する中宗一郎さん(左)=岐阜市六条東、陽南中学校

 子どもの陸上離れに歯止めをかけようと、過去に全国大会での実績や指導経験を持つ元選手たちが、NPO法人「リクスパート」(本部・各務原市)を立ち上げた。専門的で高度な指導を受けることができるクラブチームで、会員は1年ほどで約90人に。全国中学校体育大会400メートルで優勝経験がある理事長の南部好輝さんは「岐阜の陸上を盛り上げるきっかけになれば」と話している。

 法人名は「陸上」と「エキスパート」を掛け合わせた造語。指導に当たるのは南部さんのほか、走り幅跳びの2014年度日本ランキング20位の中宗一郎さんと、100メートルの自己ベストが10秒67でリレーで日本選手権出場経験のある野村広大さん。

 南部さんと野村さんは特別支援学校、高校の講師、教諭として指導歴がある。中さんは県スポーツ科学センターの現役研究員で、さまざまな競技のトップアスリートを科学的な観点からサポートしている。

 県によると、県内の陸上部員数は中学が2017年度4588人だったのに対し、本年度は4190人。高校は17年度2249人に対し、本年度は2024人といずれも減少傾向だ。「中学では部自体がなくなっていく」と危機感を募らせた南部さんら。陸上がしたい子どもらの受け皿になろうと、昨年2月に法人格を取得し、4月から本格的な運営をスタートした。

 小学生以上を対象に、岐阜や西濃地域の競技場や中学校を拠点に活動を展開。陸上の基本的な動きやフィジカルトレーニングに加え、3人の専門種目が異なるため、会員は各自が取り組む種目に特化した指導を受けることが可能だ。

 また、通信アプリLINE(ライン)を活用し、アカウントと連動したマイページ機能を導入。会員個々のページに練習中や大会の様子を撮影した動画がアップされ、フォームチェックや動作分析に活用できる。より高いレベルを目指す会員には個々の体力や技術力をデータ化し、特性に合った指導も提供している。陽南中3年生は「タイムが伸び悩んでいた時期に入会した。自分の動きが分析できて、タイムも伸びた」と語る。

 会員は部活と両立する選手や、学校に陸上部がなくこのクラブで汗を流す選手など多様だ。中さんは「レベル、種目、年齢に関係なく参加できる。競技の楽しさを多面的に学んでもらえたら」と話していた。