下呂から岐阜へ向かう濃飛バスの高速バスの初便=下呂市幸田

 昨年11月から12月にかけ、岐阜県下呂市の下呂温泉と各地を結ぶシャトルバスや高速バスの運行開始が相次いだ。中津川市経由の名古屋市、岐阜、郡上市など、大都市や近隣とを結ぶもの。いずれもコロナ後を見据えた観光庁の事業による実証運行で、2月までの期間限定。このうち二つに記者が実際に乗ってみた。

 南飛騨観光バス(下呂市)は中津川市経由でJR下呂駅とJR名古屋駅を結ぶバス「GEROぐるライナー」を、2月20日までの期間限定で運行している。中津川市を経由することで、東濃地域や長野県方面からの利用者の取り込みも図る。下呂温泉へ正午前に着き、夕方に出発するという時刻設定。温泉街での昼食を楽しむなど、日帰りが可能なだけでなく宿泊客の滞在時間を延ばすこともできる。

 下呂から名古屋に向かう便に乗ってみた。日が傾き寒さを感じる午後4時に下呂駅前を出発。バスは国道257号を経由し、中津川市へ向かう。この便では中津川で降りる客の予約はなかったため、そのまま中央自動車道に入った。日が暮れた高速道路を快調に走り、高層ビルが立ち並ぶ名古屋駅の新幹線口に到着。辺りはリニア中央新幹線の工事まっただ中だった。

 昨年12月26日からは岐阜乗合自動車(岐阜バス、岐阜市)と濃飛乗合自動車(濃飛バス、高山市)が、2月13日まで名鉄岐阜駅隣接の岐阜バスターミナルと下呂駅前を結ぶ高速バスの運行を始めた。岐阜発が午前9時と午後2時、下呂発が午前9時30分と午後4時10分の2往復を運行する。

 下呂発の初便に乗ってみた。車両は濃飛バスの観光バス。下呂駅を出て飛騨川を渡り、市街地を進む。国道41号を南下するバスの車窓からは、マイカーを運転していては見られない飛騨川の姿が見られた。加茂郡白川町内では岐阜発の岐阜バス便とすれ違った。東海環状自動車道の美濃加茂インターチェンジ(IC)から東海北陸自動車道の岐阜各務原ICまでは高速道路を経由。国道156号を通る経路で岐阜バスターミナルに到着した。

 そのほか、郡上市の白鳥交通は、美濃白鳥駅や郡上八幡と下呂駅前を結ぶ無料シャトルバスを2月27日まで運行している。

 期間限定とはいえ、複数の交通手段があることは旅の楽しみを増やすことにつながる。また、近隣の観光資源を結びつける役割も期待される。新型コロナウイルスの感染状況は再び緊迫してきたが、収束後を視野に地域の観光資源を磨き上げる動きは続いている。