猫をモチーフにした作品が並ぶ井上あき子さんの貼り絵展=飛騨市古川町、古川郷土民芸会館

 猫に魅入られた岐阜県飛騨市出身の作家井上あき子さんの貼り絵展が、同市古川町の古川郷土民芸会館で開かれており、猫をモチーフにした作品が猫をめでる作家の心情を伝えている。

 井上さんは同市神岡町出身で17歳で上京し、イラストなどを手掛けた後、作家活動を始めた。切り絵や貼り絵で猫を描いた作品を創り、「夢魅猫」などのタイトルで個展を重ねてきた。また、画家山下清がモデルのテレビドラマ「裸の大将放浪記」の劇中画を手掛け、温かみのある貼り絵が広く知られた。

 岐阜新聞紙上では、飛騨の風景や祭り、民話を貼り絵で表した「飛騨百一景」を11年にわたって連載するなど、募るばかりの望郷の思いを作品を通して伝えた。
 千葉県市川市の自宅で、色紙を細かく指でちぎっては水で溶いたのりを付けて画面に貼っていくという手法で創られた100点余の貼り絵は飛騨市に寄贈され、保管されている。

 貼り絵展の出展作品は寄贈された中から選ばれた。井上さんが長毛の2匹の愛猫をモデルに気ままな猫の姿を描いた作品が中心。遊ぶ猫と招き猫などが並ぶ井上さん宅の居間を描写した大作「コレクション」、本を枕に猫が眠る「うたたね」、飛ぶ風船を猫が見上げる「イルミネーション」など、多彩な色の色紙を使って仕上げた11点を展示している。以前に井上さんは「丸いところばかりの猫はとてもかわいい」と話していた。