山県市の武儀川に現れた冬の海鳥とみられる鳥(荒深利正さん撮影)
大きな鮎を捕まえて食べていた(荒深利正さん撮影)

 国内では本来は冬に、しかも海辺にいるはずの渡り鳥が、梅雨明けして夏本番の岐阜県山県市の清流に現れた。鳥類担当の博物館員は、県内では珍しいシロエリオオハムかオオハムの幼鳥ではないかとみている。

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 その鳥は、同市の武儀川に1羽だけでいた。近くに住む荒深利正さん(71)が15日に「見かけない鳥がいる」と発見し、写真を撮った。連絡を受けて記者が駆け付けると、鳥は川の100メートル~200メートルの間を行き来しながら繰り返し潜水。少なくとも30秒、長い時は1分近く潜り、川魚を捕まえて食べていた。「シロエリオオハムの幼鳥かな」と荒深さん。「群れからはぐれたのならかわいそうだけど飛び立つ気配がない。川はきれいで、おいしい鮎も捕れる。居心地がいいのかも分からんね」。ただ、20日の昼前から姿が見えなくなったという。

 三重県総合博物館(同県津市)の鳥類担当者に写真を見てもらった。同館にはシロエリオオハムの剥製がある。1984年7月に内陸の同県伊賀市で採集されたものだという。山県の鳥について担当者は「初めての夏を迎える幼鳥だと思うが、幼鳥なのでシロエリオオハムかオオハムか断定が難しい」とのこと。

 シロエリオオハムもオオハムもアビ科の海鳥。夏にシベリアやアラスカなどの北域で繁殖し、冬は日本付近まで南下して海辺や河口で越冬。春になると再び北に渡るため、「夏によく見られる鳥ではない」と担当者。夏に内陸で見つかった例は皆無ではないが「この時期に岐阜県の奥の方の地域で見られるのは珍しいと思う」と話している。