従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2024年2月8日掲載

東罐高山 株式会社(高山市)
紙製容器製造

社内に健康支援室を設置、心身両面で社員の健康支える

 食用品の紙コップなどを製作している紙製容器製造の東罐高山は、2019年から健康経営に注力するようになり、同年に全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜支部から健康経営推進事業所に認定。23年には経済産業省の健康経営優良法人に認定されるなど、職場環境の改善に精力的に取り組んでいる。

 21年5月に「健康支援室」を本社内に設置。小学校の養護教諭の経験を持つ社員が、管理部所属の産業保健スタッフ(健康支援担当者)として常駐している。同室には社員が体調不良時に利用できるベッドが1台置かれ、薬などを常備する。また、長期休務から復職を目指す社員らに対して、健康支援担当者が面談を行うなどしてメンタルケアにも対応。作業現場を自ら回って、社員の悩みを聞くことも行う。女性特有の健康に関する悩みなどもあり、「健康支援室ができて良かった」との声も上がっている。

 その他にも社内に健康に関する情報を発信する電子掲示板を設置しており、月に1回以上は情報を発信。社内で使用している業務用のパソコンからの閲覧も可能だ。県の「健康経営ミナモ通信」を配布したり、協会けんぽの無料歯科検診の紹介なども行っている。

 昨年6月にはスポーツクラブと法人契約を結び、社員が割引券を利用できる体制を整えた。青木隆幸管理部長は「大事に至る前に社員の意見を聞いて、改善すべきことに対応したい」と話し、「今後は運動面でもっと会社として行えることをやっていけたら」と意気込む。

【会社概要】
■本社/高山市丹生川町北方2466-1 ■創業/1931(昭和6)年8月 ■設立/1950(昭和25)年10月 ■代表者/取締役社長 徳村 耕一 ■従業員数/229人(男性174人、女性55人)

株式会社 ヤクセル(関市)
刃物メーカー

運動と食事での職場環境を整備、多種多様な業務内容も魅力

 刃物メーカーのヤクセルはナイフ以外にもスプーンなど金属洋食器を手がけ、輸出や海外拠点の整備を積極的に進めるなどして、グローバル企業の礎を構築。また、2021年から23年まで3年連続で経済産業省の健康経営優良法人に認定されるなど、職場環境の整備にも力を入れる。

 朝のラジオ体操は長く続けており、各部署の社員が顔を合わせ、交流を図る場になっている。社員食堂には、健康への意識向上を促すチラシを掲示。関給食センターが作る、肉や魚などさまざまな食材を使い、栄養バランスと野菜摂取量を重視した「健美ランチ」を購入することもできる。メンタルケアでは社内に相談窓口を設けているが、外部の相談サポートを利用することも可能だ。

 野球とフットサルのクラブチームがあり、大会などにも参加。チームに所属する社員が体を動かし、親交を深める場となっている。また、他の社員が試合の応援に駆け付けることで一体感を高めている。コロナ禍前は社員旅行や忘年会などを設け、社員同士がコミュニケーションを取れる場を提供。食事会などの補助を会社側が負担していた。

 浅野哲也総務部長は同社の魅力を「ものづくりはもちろん、商品のデザインを考えたり、語学力を生かして輸出や輸入にも携われる業務内容の選択肢の多さ」と言う。将来の展望については「世代の違いも考慮しながら社員1人1人の考えを集約し、職場環境をより良くしていきたい」と力を込める。

【会社概要】
■本社/関市栄町2-41 ■創業/1932(昭和7)年 ■設立/1947(昭和22)年■代表者/代表取締役 山田 義久 ■従業員数/90人(男性59人、女性31人)

わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています

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