新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い岐阜県を含む13都県が指定されたまん延防止等重点措置入り初日の21日、県内の繁華街から明かりが再び消えた。岐阜市の飲食店オーナーらの多くは県による再度の酒類提供停止要請を前に早々と閉店を決めた。
県内有数の繁華街、岐阜市の玉宮地区はこの日、多くの店が期間中の閉店を決め、通りはひっそりと静まりかえっていた。営業を続ける店舗が昨夏の第5波の時より増えたが、人通りもめっきりと少なくなり、年末年始のにぎわいは跡形もなくなっていた。
玉宮地区に串焼きなど居酒屋6店舗を展開する花串庵グループ社長の小野木浩司さん(61)は「こうなることは予想していたよ」と、全店舗の期間中閉店を数日前に決めていた。年末年始にかけコロナ前のほぼ9割まで客足が戻ったが、先週末に数人規模の予約が一気にキャンセルになったという。行政の支援に不満はないが「なんで愛知、三重はよくて、岐阜は提供できないんでしょうかね」とこぼした。
玉宮通りにほど近い居酒屋「家康」も期間中の閉店を決めた。店主の女性(55)は「お客さんがそもそも来ないので、開けていても赤字がかさむばかりだから」と、つくのはため息ばかり。先週末は5、6件の予約がキャンセルとなった。「せっかく十数人規模の予約が入り始めたばかりだったのに」と残念がった。