高校野球フェアは28日、長良川球場で中京(昨秋県3位)が浜松開誠館(静岡)と対戦。第1試合は4―1で快勝、第2試合は7―9で競り負け、1勝1敗。寺戸大凱、桑田剛心の左右両エースがそれぞれ先発して5回を好投。最大の課題だった投手力に光明が見られ、攻撃面では常に先を狙う高い走塁意識が徹底されるなど2月に就任した藤本貴久新監督(61)が「課題も明確になり、夏に向けて手応えをつかめている」と語る〝新生中京〟が、順調なスタートを切った。

 ◇無駄な四球なくなり、緩い球の習得で飛躍する両エース

 得点力はありながら、投手力が課題で勝ち切れなかった昨秋の中京。今年1月に総監督となり、2月に監督就任したOBで元巨人の藤本監督は「起用は継投になるが、軸となる寺戸も桑田も無駄な四球で自滅していた。それをなくす」と課題の根源を指摘する。「ヒットは打たれても仕方がない。厳しいコースを狙いすぎて四球を出すより、思い切ってストライクを取りにいく」と前向きな考え方を示し、さらに緩いボールの習得で緩急差を増すことを課した冬場の成果が、この日の好投につながった。

中京×浜松開誠館第1試合=緩い球を有効に使い、投球の幅が広がった中京の左腕寺戸大凱=長良川球場

 第1試合の先発は昨秋まで背番号1だった桑田が肉離れで出遅れていたため、藤本監督が「この春は寺戸でいく」とエースナンバーを背負う左腕寺戸...