コロナ禍で苦境に立たされている水産卸業。「鮮魚朝市で新鮮な魚を消費者に届けたい」と話す小椋人二社長=岐阜市茜部新所、六連鯛市場
コロナ禍で苦境に立たされている水産卸業。「鮮魚朝市で新鮮な魚を消費者に届けたい」と準備をする小椋人二社長=岐阜市茜部新所、六連鯛市場

 新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店に食材を提供する卸業者も苦境が続く。活魚などの水産物を卸販売する「六連鯛市場」(岐阜市茜部新所)は、一昨年から月1回、一般消費者向けの鮮魚朝市を行う。高級鮮魚が値打ちに買え、時には市場にも出回らない貴重な魚もお目見えすると口コミで評判に。「卸業者は厳しい状況に立たされているが、朝市を介して消費者の皆さんに魚のおいしさ、市場を身近に感じてもらえれば」と小椋人二(ひとじ)社長(60)。今月も感染対策を講じて30日に開催する。

 コロナ前は五つの水槽がフル回転で、タイやブリ、ヒラメなどの活魚や水産物を飲食店やホテルに卸していた。それがコロナ禍になると団体の宴会がなくなり、飲食店の営業時間短縮や酒類の提供停止が繰り返されると、注文は大幅に減った。今月21日に始まったまん延防止等重点措置で県は酒類の提供停止も要請しており、酒をメインにした顧客の居酒屋などは多くが休業している。

 「今の売り上げはコロナ前の4割減。われわれには飲食店のように協力金があるわけでなく、新型コロナが相手では嵐が過ぎ去るのを待つしかない」と小椋社長。しかし、嘆いてばかりはいられないと、小売りの朝市を始めたところ口コミで評判となり、毎月欠かさずに訪れる客もいるという。以前は卸業で忙しく、直接消費者と関わることはできなかったが、朝市は魚のおいしさを伝える契機にもなっている。

 水槽から出したばかりのタイなどの活魚はスーパーなどの小売価格の3割安、ものによっては半額ほどの値段で買える品も。自家製のカラスミは1カ月ほどかけて完成させるこだわりの逸品だ。「刺し身は切り身の『さく』で提供している。切りたてが一番おいしいから」と、プロならではのアドバイスがあるのもうれしい。朝市は毎月最終日曜日の午前8時から同11時まで。鮮魚以外はネット通販もする。問い合わせは六連鯛市場、電話058(274)2861。