春季東海地区高校野球大会は18、19の両日、長良川球場などで1回戦、準決勝を行い、岐阜1位の県岐阜商は1回戦で静岡(静岡2位)に2―1で競り勝ち、準決勝で菰野(三重2位)に延長十回タイブレークの末、5―6で競り負けた。岐阜2位の市岐阜商は1回戦で津田学園(三重1位)に6―7でサヨナラ負けし、ともにあと一歩の惜敗で、夏に向け、収穫が大きい大会となった。中でも県岐阜商は今チーム最大の特徴の粘り強さに一層、磨きがかかり、創部100年チームへの期待が高まった。

県岐阜商×静岡=10奪三振1失点完投と好投の県岐阜商のエース森=長良川球場

 ◇エース森がさらにステージアップ

 準決勝の県岐阜商は、エース森厳徳が前日の145球完投の疲れもあり、八回からのリリーフでリードを守り切れなかったが、接戦に強い創部100年チームの根幹「高い投手力」は東海でも存在感を示した。

 1回戦静岡戦での森の好投は目を見張った。森をレベルアップさせたのがゴールデンウイークの連投。5月3日、誉(愛知)に3回パーフェクト。4日、磐田東(静岡)に5回無安打無失点11奪三振。5日の津商(三重)は今ひとつだったが、6日の大崎(長崎)戦は3回1安打無失点。成長ぶりには視察に訪れたプロのスカウトもうならせた。

県岐阜商×静岡=完投勝利を収め、グラブをたたいて喜ぶ県岐阜商のエース森=長良川球場

 「投球のコツをつかんだ」と鍛治舎巧監督が語るように森は「持ち味のストレートとスライダーのほかのボールがうまく使えるようになった」と振り返る。静岡戦では右打者にはカーブ、左打者にはチェンジアップが有効で、1回の高めに浮いたスライダーを右翼席に運ばれたソロのほかは2安打10奪三振。最速は143キロだったが、球威もあり、ストレートでの三振も目につき、ステージを一つ駆け上がった感を抱かせた。...