三重県桑名市の長良川河口堰(ぜき)は6日、1995年7月の本格運用開始から30年を迎えた。川と海を分ける施設の環境への影響を巡り激しい反対運動が起きた巨大公共事業の問題は、今も開門調査の賛否という形でくすぶり続ける。
治水と利水を目的にした河口堰を巡っては、2011年の愛知県知事選で開門調査を公約に掲げた大村秀章氏が当選。学識経験者らでつくる同県の委員会は、海水と淡水が混じる汽水域回復のため22年から常時開門に取り組む韓国・釜山のナクトンガンを例に試験開門を提案しているが、国と水資源機構との協議の場は実現していない。
6日早朝の河口堰周辺では、貝漁に向かう漁船の姿が見られた。シジミ漁船が...