岐阜県勢の来春の選抜出場が濃厚に―。秋季東海高校野球大会第2日は20日、静岡市の草薙球場と、ちゅーるスタジアム清水で準々決勝4試合を行い、岐阜1位の大垣日大が延長十回タイブレークの末に3―2で中京大中京(愛知2位)を、岐阜3位の岐阜第一が八回コールドの7―0で海星(三重1位)を下し、ともに準決勝に駒を進めた。26日の準決勝では大垣日大と岐阜第一が対戦するため、上位3校が出場できる来春の選抜大会には岐阜県勢からの2年ぶりの出場が濃厚になった。中京(岐阜2位)は常葉大菊川(静岡1位)に1―4で敗れた。
◆無失点のプレッシャーが1年生エースを成長させた
1年生エースを進化させたのは〝無失点のプレッシャー〟だった。
大垣日大の谷之口翔琉は秋季岐阜県大会で27回2/3の無失点で、県の覇者となった。ところが、この〝無失点〟こそが目に見えない壁となって、1年生エースにたちはだかった。
県大会後のブルペンでは、高橋正明監督も舌を巻く抜群の投球をみせていたが、県大会後初の練習試合登板となった12日の静岡商戦では3回無失点だったにもかかわらず、ボールが散らばり、「高校入学後、見たこともないほどの悪い投球だった」とスタッフも口をそろえる。
目に見えない無失点のプレッシャーがあることに気づいた指揮官は「これは一度、打たれた方がいい」と荒療治を決断。急きょ申し入れのあった天理(奈良)との14日の練習試合で登板させると、狙いは奏功。もくろみ通り「メッタ打ち」(高橋監督)にあい、谷之口は涙を流した。...