「勝訴」と書かれた垂れ幕などを掲げる原告ら=21日午後、岐阜地裁前

 岐阜県大垣市などで計画された風力発電施設の建設を巡り、大垣署員が反対住民らの学歴や思想などの個人情報を事業者の中部電力子会社シーテック(名古屋市)に伝えたのはプライバシー権の侵害だとして、住民ら4人が県に計440万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決公判で、岐阜地裁(鳥居俊一裁判長)は21日、情報提供の態様は悪質だとして、計220万円を4人に支払うよう命じた。警察の情報提供に関し、裁判所が違法性を認めるのは異例。一方、情報収集自体の必要性は認め、情報抹消の請求は棄却した。

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 判決理由で鳥居裁判長は、風力発電事業への反対運動も含め、原告が過去に関与した市民運動の情報は「思想信条に関するプライバシー情報の中でも、要保護性が高い」と認定。「必要がないにもかかわらず積極的、意図的に提供し、みだりに第三者に提供されない自由を侵害した」と指摘した。

 一方、情報の収集自体は「任意捜査による限り許容されるべき」と判断。原告がさまざまな市民運動に参加してきたことを指し「公共の安全と秩序維持を害する事態に発展する危険はないとは言えない」とした。

 収集された個人情報の抹消請求については「抹消を求める作為(行為)の内容が特定されていない」として棄却した。

 判決などによると、署員は2013~14年に4回、社員と面会し、住民らの年齢や学歴、病歴などに加えて、反対運動が「大々的な市民運動へと展開する」などと伝えた。県警は「判決について真摯(しんし)に受け止めている。内容を検討した上で対応を決める」とコメントした。