少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策、キャリア教育について考えを聞きました。第7回は羽島高校(羽島市)の下野宗紀校長(56)。下野校長は高校を選ぶ際に参考にすべきポイントがあると強調します。現職校長直伝の高校の見極め方とは。そして羽島高校のアピールポイントは。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 羽島高校 所在地は羽島市竹鼻町。1921年開校で、100年以上の伝統がある県立単位制普通科高校。2023年度に新校舎が完成。1学年の定員は160人。
羽島高校=羽島市竹鼻町

 -高校教育の現状と羽島高校の方向性は。

 新型コロナ禍以降、県教委のICT教育推進室長、学校支援課長として、県内のオンライン授業の普及にも関わった。オンライン授業は利便性もあるが、教師と生徒の間の“心”のコミュニケーションがあってこそ学びは成立していくことが、改めて分かったともいえる。

 本校は、過去には教育活動に困難さを抱えた時代があった。だが今は、問題行動やトラブルも一般の高校よりずっと少なく、落ち着き充実した学校生活が送れている。新型コロナ禍が明け、学校として生徒たちに寄り添い、対話し、共感しながら教育活動を進めてきたことがベースになっている。

 昨年本校に赴任し、最初に生徒たちに言ったのは「この学校は君たちの居場所だよ」。生徒たちの心理的安全性を重視している。入学定員は160人だが、1学年40人学級4クラスではなく、5クラス展開している。生徒一人一人を丁寧にフォローし、中学からの学び直しに対応。いじめや嫌がらせは許さない。そうした体制をつくって、安全・安心な学校生活を実現している。

 ―進路状況は。

 おおまかに言って四大・短大進学、専門学校進学がそれぞれ約3割、4割近くが就職する。

 進学については指定校推薦が充実している。四大・短大合わせて435人分(2024年度)。1学年160人に対すると1人につき3校分程度になる。

 また、最近は就職状況が非常にいい。就職希望の40人~60人に対し、約1400件の求人が来る。求人倍率は20~30倍程度。本校は地元就職を進めている。本校で羽島市内の企業による就職フェアを羽島商工会議所と共催。市内の18社に集まっていただいた。

下野宗紀校長

 -一般的に学校の違いや特色はどう調べるのがいいのか。

 中学生や保護者に一番伝えたいのは、各校の教育課程をよく見極めてほしいということだ。...