自民党派閥裏金事件を巡り、旧安倍派参院側トップだった世耕弘成前参院幹事長(離党)は21日、参院予算委員会に参考人として出席し、2022年8月の同派幹部会合で政治資金パーティー券販売ノルマ超過分の資金還流を再開する結論は出ていないと否定した。旧安倍派会計責任者の松本淳一郎氏がこの会合で決まったと証言していることに関し「現金による還流はあり得ないというのが共通認識だった」と主張。松本氏とは認識のずれがあったと強調した。

 旧安倍派幹部の参院予算委への参考人招致は初めて。野党は、実態解明に程遠い内容だとして、他の同派幹部の参考人招致を求める構えだ。幹部会合には世耕氏の他、下村博文、塩谷立、西村康稔の各氏が出席していた。

 世耕氏によると、22年8月5日の幹部会合は、還流資金を既に収入として見込んでいる人もいるとして対応策を検討した。議員個人が開くパーティーの券を派閥が購入する形で返していくのが最も適切ではないかという方向で終わったという。