経営再建中の自動車部品大手マレリホールディングス(さいたま市)に対し、主要取引先である欧米自動車大手ステランティスが資金繰りの支援を始めたことが23日、分かった。マレリの運転資金が不足してエンジン関連や照明などの幅広い部品の生産が停滞し、サプライチェーン(供給網)全体に影響が及ぶのを回避する狙いがある。
ステランティスはフランスのプジョーや米クライスラーなど多数のブランドを展開している。ステランティスが乗り出したのは、金融機関のような融資ではなく、商取引の中で資金繰りを改善する支援だ。部品購入代金の支払いを早くするといった手法を取っているとみられる。
マレリの経営再建が難航しているのは、ステランティスの業績悪化が主な要因だ。ステランティスは北米市場での販売不振が響き、2024年12月期決算の純利益が前期と比べて70%減少した。日産自動車の業績低迷も、再建の足を引っ張る一因となっている。
マレリはドイツ銀行やみずほ銀行から借り入れている総額約6500億円のうち一部返済の延期を重ねている。