【北京共同】中国国営通信新華社はタリフ(関税)という名前のロボットが自爆する動画を制作、公開し「タリフマン」を自称するトランプ米大統領を風刺した。関税の応酬で米中対立が激化する中、反米で国民を結束させ、習近平指導部の求心力を高める狙い。中国の交流サイト(SNS)にはトランプ氏を批判する動画やコメントが次々と投稿されている。
新華社の動画は3分余り。人工知能(AI)で制作し、公式ホームページで今月上旬に公開した。主役のロボット「タリフ」が生みの親の博士と英語で会話する。中国語と英語の字幕付きだ。
タリフは米国と米国民の利益を守るために輸入品に関税を課すとの指令を受ける。だがタリフは高関税措置を進めると失業率の上昇や生活コストの増加、貿易戦争や動乱でさらなる報復が生まれると予測。米国を守るという目標と矛盾するとして、最後は博士に別れを告げ、自爆するストーリーとなっている。
中国で反米世論が高まる中、SNSにはトランプ氏がミシンに向かって縫製するなどのネットユーザー制作とみられる動画の投稿も相次ぐ。