【ワシントン共同】ベセント米財務長官は23日、共同通信など一部メディアの取材に、日本との貿易交渉では、ドルと円との具体的な為替水準に関する目標設定を求める考えは「ない」と明言した。24日に予定する加藤勝信財務相との交渉ではこうした「通貨目標」を要求しない公算が大きい。中国との貿易摩擦に関し、高関税をかけ合う現状は持続不可能だとし「緊張緩和が必要だ」とも語った。トランプ政権が145%に達した対中関税の引き下げを検討中との報道もあり、激化した対立が転換する可能性がある。
ベセント氏は、対日交渉での通貨政策について「日本が先進7カ国(G7)の合意を尊重することを期待している」と説明した。G7は2017年に「競争力のために為替レートを目標にはしないことを再確認する」との認識で合意。競争的な通貨切り下げを回避する趣旨で、その後の20カ国・地域(G20)の声明などでも繰り返し、言及されている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は23日、米政権が対中関税の引き下げを検討していると報道した。