米国や欧州で人気のブランド「カリモクケース」の家具=15日、愛知県東浦町

 トランプ米大統領の高関税政策の影響は家具業界にも広がる。カリモク家具(愛知県東浦町)は、日本と北欧らしさの融合を感じられる自社ブランド「カリモクケース」が米国や欧州を中心に人気を集め、米市場の開拓に力を入れているところだった。加藤信副社長は「冷や水を浴びせられたようだ」と肩を落とす。

 「家具に関税がかかるとは想定外だった」。海外営業を統括する加藤氏は戸惑いを隠さない。関税の対象は当初、自動車業界など一部と考えていたからだ。相互関税の話が持ち上がった時「あらゆるものが対象になるようだ。家具も入るのか」と驚いたと打ち明ける。

 ニューヨークの高層ビルに店を構える有名レストランの店内にずらりと並ぶのは、カリモクケースの椅子だ。素材の風合いを生かし、無駄をそぎ落としたようなデザインは「東洋と西洋の美意識の融合だ」と評判で、米国では有名レストランや金融機関のオフィス向けなど大口の発注も多い。

 24年度の輸出売上高の6・8%が米国向けという。規模はまだ小さいが、23年度と比べると1・7倍に伸びた。