送検のため宮城県警岩沼署を出る佐藤蓮真容疑者=27日

 宮城県岩沼市の海岸で女性保育士の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された職業不詳佐藤蓮真容疑者(21)=同市=が事件後、キックボクシングの試合を欠場していたことが28日、関係者の取材で分かった。女性とは試合のチケットを渡すために会ったと説明していたという。後輩思いで優しかったといい、関係者は「他に犯人がいると信じたい」と動揺を隠せない。

 関係者によると、佐藤容疑者は県南部のキックボクシングジムに選手として所属。ジムには小学3年ごろから通い始めた。「特別強いわけではなく、普通の選手だが、面倒見が良かった」という。

 13日に遺体で見つかった行仕由佳さん(35)=仙台市太白区=とは知人を通じて知り合い、応援のため試合を観戦していた。容疑者は周囲に「20日に開かれる試合のチケットを渡すために行仕さんと会った」と話していた。事件後、行仕さんの家族からジムに、容疑者と話したいと連絡があった。容疑者は20日の試合を欠場。県警に26日、逮捕された。