東京地裁=東京・霞が関

 炭素製品メーカー大手「日本カーボン」の男性研究員=当時(25)=が2021年に自殺したのは、上司の過度な指導や叱責による心理的負荷が原因だとして、両親が30日、同社側に計約9千万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は毎月、研究の進捗をまとめ発表する必要があったが、直属の上司は「わけわからん」「おまえは使えない」などと発言するのみで、具体的な指示をしなかったとしている。

 うつ病となった男性は人事部門に相談。席替えがあったが、上司の隣から向かいに変わっただけだった。

 日本カーボンは「コメントは差し控える」としている。