東京・銀座を取り囲むように通る約2キロの東京高速道路(KK線)を「空中回廊」として再生する計画が今後、本格化する。KK線は首都高速道路の都心環状ルート再編に伴い、4月に廃止された。2030〜40年代にほぼ全区間が高架の遊歩道になる予定。米ニューヨークの緑豊かな空中庭園「ハイライン」を参考にしており、新たな観光名所にとの期待がかかる。
計画では路面部分に土を盛って樹木や花壇で覆い、ベンチやトイレも設置。道路幅が30メートルを超える区間もあり、休憩やイベント用のスペースとして利用する。オープンカフェやキッチンカーの出店も想定している。
ただ夏場の暑さ対策や安全柵の設置など課題は多い。高架が植栽や土の重さに耐えられるかなど検証を進める。事業費は約140億円と見込むが、原材料価格の高騰などで上振れする可能性があるという。
KK線は1966年に全線開通した。首都高速と一体的に機能し、都心の渋滞緩和に貢献した。東京都の担当者は「世界から注目される観光拠点にしていきたい」と話した。