埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県や地元消防は1日、地中の下水道管内で見つかった運転席部分の中に、人とみられる姿を発見したと明らかにした。不明となっている70代の男性運転手の可能性が高いとみている。消防や警察は2日にも、管の内部に入り、男性の救出活動を本格化させる方針。
県によると、トラックの運転席部分は陥没地点より約30メートル下流にある下水道管内に取り残されている。県警や消防は1日未明、事故後初めて管内に入り、流れ込む下水の量や有毒な硫化水素の濃度を調査した。その際に目視で人らしき姿を確認したという。
陥没事故は1月28日に発生。新たな崩落の危険などを理由に地元消防は2月9日、男性の捜索をいったん中断し、下水対策工事を進めていた。
県は4月24日、大量の下水を迂回させるバイパス工事を完了した。一方、陥没の穴から下水道管に向かって斜めに掘り下げるルートを整備。このルートを利用して穴の中へ入るという。さらに運転席部分を重機などで引き上げるため、地面から垂直に掘削するルートも確保した。