志村康さん

　ハンセン病違憲国賠訴訟の全国原告団協議会会長の志村康さんが１日、熊本県合志市の国立ハンセン病療養所菊池恵楓園内の病院で死去した。９２歳。佐賀県出身。葬儀は入所者と職員のみで行う。

　１９４８年に同園に入所し、一時は社会復帰を果たした。９８年７月、ハンセン病国家賠償請求訴訟を熊本地裁に初提訴した原告１３人の１人。番号で原告を特定する匿名訴訟だったが、早くから園内で用いている名前を公開して被害を訴えた。０１年５月、同地裁は国の隔離政策を違憲と認め、約１８億円の支払いを命じる判決を言い渡した。

　近年は菊池恵楓園の入所者自治会会長も務め、講演活動などでハンセン病問題の啓発に努めていた。