少年院在院者向けのワークショップでダンスを披露する講師=2月、東京都昭島市の東日本少年矯正医療・教育センター

 少年院の中でも発達上の課題がある在院者が多い施設をプロダンサーらが訪問し、芸術活動を更生に役立てる取り組みが進んでいる。言葉でのやりとりに難しさがある少年少女と一緒に体を動かし、他人と関わる喜びを感じてもらうのが狙いだ。

 「頭、肩、次はおなか…」。2月下旬、東日本少年矯正医療・教育センター(東京都昭島市)の体育館で、女子在院者6人がかけ声に合わせテンポよく体を動かした。NPO法人「芸術家と子どもたち」(東京)が派遣したダンサー2人が講師を務める約1時間のワークショップだ。

 ダンスは「飛び石を飛ぶように」など、イメージを膨らませる。「私はやらなくていい」と消極的だった少女も思わず音楽に乗り、硬かった表情がどんどんほぐれていった。

 自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害がある人の多くはコミュニケーションに困難さがあるとされる。

 芸術家とのワークショップは2022年に始まった。ダンスのほか打楽器の演奏や美術制作を取り入れており、法務省は同法人と連携して今後も開催する考えだ。