戦国時代に近畿から四国を支配し「織田信長に先駆けた天下人」と称される武将・三好長慶(1522〜64年)の京都での拠点とされる「西院城」に関連する建物跡が見つかったことが2日、分かった。発掘調査したNPO法人「平安京調査会」(京都市)によると、西院城関連の遺構が確認されたのは初めて。絵図や文献の記録に残る城の描写を裏付ける発見という。
長慶は阿波国(現在の徳島県)出身。対立する武将が西院城を攻めたとの古文書が残り、対抗するための拠点だったとされる。
発掘調査は昨年11〜12月、西院城跡と推定される阪急西院駅近くの共同住宅建設予定地約180平方メートルで実施。掘立柱建物の柱穴や石組みの溝などを発見した。一緒に見つかった土器の年代などから長慶の時代の遺構と判明した。
柱穴は多数あり、建物が2棟あったと分析。うち1棟は東西8・3メートル、南北4メートルの大きさと推定。中央部に柱が密集し、柱を支える礎石も大型なことから、敵の監視などのため高い所から周囲を見渡せる櫓状の建物だった可能性を指摘する。