和歌山県新宮市出身の作家、佐藤春夫(1892〜1964年)の業績をしのぶ「御供茶式」が命日の6日、市内の文化複合施設「丹鶴ホール」で行われた。
佐藤春夫記念館(同市)によると、佐藤は茶を好み、帰郷の際には知人らと茶会を催した。式では、詩人でもあった佐藤が詩を朗読する肉声の録音が流れ、地元の茶道愛好家らが遺影に茶を供えた。
佐藤の東京都文京区の住居は新宮市に移築され、記念館として利用された。記念館は老朽化による移転工事のため休館中で、来年度中にリニューアルオープンする予定。
辻本雄一館長は「1964年の東京五輪で大会賛歌を依頼されるほど国民的詩人として人気があった」と話した。