ドイツ首相指名選挙の第1回投票で過半数に届かなかったメルツ氏(手前中央)=6日、ベルリン(AP=共同)

 【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)は6日、首相指名選挙の第1回投票を行った。首相就任が確実視されていた第1党の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツ氏は過半数に届かず、選出に失敗した。1回目の投票で首相が選出されなかったのは戦後のドイツで初めて。移民政策で極右と接近したことに反発が出たとみられる。欧州最大の経済大国ドイツの政治的混乱が浮き彫りとなる異例の事態で、周辺各国にとっては打撃となりそうだ。

 首相指名選挙の第2回投票について、連立相手の社会民主党(SPD)のクリンクバイル党首は6日、主要政党が同日に実施することで合意したと発表した。地元メディアは6日実施の可能性が高いと報じた。

 下院(定数630)の首相指名選挙で、メルツ氏は賛成310票を獲得。選出には316票以上が必要だった。CDU・CSUと連立政権樹立で合意したSPDの議席数は合わせて328のため、造反者が出たとみられる。621人が投票し、反対307票、棄権3票、無効1票だった。