国連欧州本部=スイス・ジュネーブ(共同)

 【ジュネーブ共同】トランプ米政権の対外援助事業凍結で、国際機関が集まるスイス・ジュネーブが深刻な影響を受けている。非政府組織(NGO)を含め3万人以上とされる直接雇用が縮小し、国際的な人道支援活動の停滞に懸念が強まる。外交交渉の舞台としての地位は揺らぎ、街の飲食店などの活気も失われかねない。

 かつて国際連盟の本部があったジュネーブには国連欧州本部や世界保健機関(WHO)など40以上の国際機関があり、本拠地を置くNGOも750近い。地元紙トリビューン・ド・ジュネーブによると、これら組織の予算全体の約26%を米国の拠出金が占めている。

 WHOは先月、76ある部門をほぼ半減させ、34にする計画案を加盟国に提示した。人員削減には言及していないものの、出張を極力控えるとしている。国際移住機関は既に本部の人員を20%削減すると発表した。ジュネーブにあるホテルや民間業者への打撃は必至だ。

 NGOの連合体、地雷禁止国際キャンペーンは、資金凍結で30カ国以上が地雷被害の危機に陥ると懸念を表明した。