東京都立川市の市立小学校に不審者が侵入したと通報があった8日の事件は、児童間のトラブルを巡り担任との面談を終えたばかりの母親が連れてきた男2人が暴れたことが分かり、学校による保護者対応の難しさが浮き彫りになった。現役教員は「いつ自分の学校で起きてもおかしくない」と不安を口にする。男らは止められることなく教室に侵入しており、専門家は、危機管理体制の検証が必要と訴える。

 事件で男2人は知人である母親の子どもの学級がある教室に侵入したほか、職員室の窓ガラスを割るなどし、担任を含む30〜70代の教職員5人が負傷。暴行容疑で現行犯逮捕され、9日に傷害容疑などで送検された。

 事件があった学校では昨年8月、不審者侵入の対応訓練を実施していた。ただ、立川市教育委員会の担当者は、保護者が複数の知人を呼び再訪するケースは「想定を超えていた」と話す。

 大阪教育大の藤田大輔教授(安全教育学)は、保護者は来校時の身分確認などをパスされやすく、誰かを一緒に連れてきた場合の対策は難しいと説明する。