厚生労働省は13日、徐々に筋肉が動かなくなる「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」に対する中外製薬の遺伝子治療薬「エレビジス」の製造販売を3年間の期限、条件付きで承認した。歩行可能で3歳以上8歳未満の患者らが投与対象。
この薬はスイス・ロシュなどが開発した。人工的な遺伝子を体内に入れ、筋肉の維持に必要なタンパク質をつくらせる。
臨床試験で、投与から約1年後では歩行能力の改善は確認できなかったが、床から起き上がる時間の短縮などがみられた。より長期的には運動機能の改善なども期待できると判断され、条件付き承認となった。
今後、長期の有効性や安全性の確認を目的とした臨床試験などをすることになる。
投与は1回で済むが、先に承認された米国では発売時の卸売価格が320万ドル(4億円超)とされた。日本での価格は決まっていない。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは男児に多く、タンパク質「ジストロフィン」の関連遺伝子に異常がある。3歳ごろから歩きづらくなり、肺や心臓の機能も失われる。