岐阜地裁

 トヨタ自動車グループのデンソーの子会社「デンソーファシリティーズ」(愛知県刈谷市)の男性社員=当時(37)=が自殺したのは、職場でのパワーハラスメントと過重労働が原因だったとして、男性の両親が同社と当時の上司2人に計約1億1580万円の損害賠償を求めて岐阜地裁に提訴したことが16日分かった。

 訴状などによると、男性は2020年7月、揖斐郡池田町に止めた車の中で遺体で見つかった。自宅アパートからは「失敗ばかり周りに迷惑をかけてばかりで、本当にすみません」と記した遺書が見つかった。

 男性は15年11月に入社。19年10月ごろからデンソーの工場の解体工事など二つのプロジェクトに中心的な役割で携わったが、業務は難航し多忙化。上司からは他の従業員がいる前で「ばか」「辞めちまえ」などと怒鳴られ、叱責を繰り返し受けた。20年2月から1カ月間の時間外労働は、61時間45分に上っていた。

 20年11月、両親が刈谷労働基準監督署に労災を申請し、署は昨年3月、職場でのパワーハラスメントなどでうつ病を発症したことが原因だったとして労災認定した。提訴は同12月。

 デンソーファシリティーズは取材に「大切な仲間である社員が亡くなってしまい残念。個人情報に関わり、係争中のため詳しくは答えられない」とした。