防犯カメラの画像をAIが解析し、容疑者摘発に生かす独自のソフトウエアを警察当局が開発し、複数の警察本部が導入したことが14日までに、警察庁への取材で分かった。初動捜査では近年、集めた画像を追跡する「リレー捜査」が柱となり実績を上げており、検索にかかる捜査員の負担軽減と事件解決の迅速化が期待される。一方で、防犯カメラを巡りプライバシー侵害を懸念する声も根強く、厳格な運用が求められる。
ソフトはSconシリーズ。最大の特長は、開発にインターネット上で自由に使える複数のオープンソースを使い、民間のシステム購入に比べ費用を格段に抑えた点だ。
警察当局がAI開発にオープンソースを利用する手法を使い、独自にゼロからソフトを開発したのは初めて。ソフトは改変が可能で、新たな捜査ツールとして進化する可能性がある。各警察本部は導入費用がほぼかからず、警察庁は全国へ普及を図る。
ソフトをダウンロードした端末に捜査員が集めた防犯カメラの画像を取り込み、条件をかけて検索。捜査対象の人や車などが写った画像を抽出する。