16日、ウクライナとの直接交渉に臨んだロシア代表団トップのメジンスキー大統領補佐官(右端)=トルコ・イスタンブール(タス=共同)
 16日、ロシアとの直接交渉に臨んだウクライナのウメロフ国防相(左)=トルコ・イスタンブール(タス=共同)

 【イスタンブール共同】仲介役のトルコ外相を挟み、3年を超える全面戦争で憎悪をぶつけ合ってきたロシアとウクライナの代表団が硬い表情で対面した。16日、トルコ・イスタンブールで再開した直接交渉の舞台は緊張感に包まれた。ロシア側トップのメジンスキー大統領補佐官は、ウクライナ側の一人一人をにらみつけるような視線を向けた。

 トルコのフィダン外相は協議冒頭「和平が可能だということを心から信じている」と早期停戦を呼びかけたが、ロシアとウクライナの代表団メンバーの顔はこわばったままだった。

 協議は現地時間午後0時半に開始予定だったが、1時間以上遅れて始まった。ロシア側の到着が遅れたもようだ。会場となった大統領執務室の建物周辺には多くの報道陣が集結。代表らを乗せたとみられる車が到着すると一斉にシャッター音が響いた。

 会場近くを通りかかったITエンジニアのバトゥハン・ヨルジュさん(31)は「戦争の終結を望んでいるが、すぐには難しいだろう」と悲観した。