ニューヨーク・マンハッタンにあるムーディーズ本社に掲げられたロゴ=2021年11月(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の信用格付けを最上位の「トリプルA」から「ダブルA1」に1段階引き下げた。政府債務の拡大や、金利上昇による利払い費の増加を理由に挙げた。一方、格付け見通しは米国の信用力を背景に「ネガティブ」から「安定的」に変更した。

 ムーディーズは、歴代の米政権と米議会が「大規模な財政赤字と利払い費の増加傾向を転換させる措置について合意できていない」と指摘。現在検討されている財政に関する案では「財政赤字などを大幅に削減する結果を得られるとは考えていない」とし、政府債務と利払いの負担はさらに増加する見込みだと説明した。

 一方、格付け見通しについては、米国の経済規模や基軸通貨としての米ドルの地位を背景に「強い信用力を維持している」と強調。独立性の高い米連邦準備制度理事会(FRB)による効果的な金融政策が継続されることなども引き上げ理由とした。