夜間中学の日本語指導に関する調査のイメージ

 文部科学省は、夜間中学での日本語指導を充実させるため、カリキュラムやクラス編成など効果的な実践例の調査に乗り出す。在留外国人数が最多を更新する中、夜間中学でも外国籍の生徒の増加に伴って日本語の授業が必要なケースが多くなっており、調査結果を基に指導指針を作成したい考えだ。

 文科省の2024年5月時点の調査によると、夜間中学53校の生徒数は10代から70歳以上の1969人。元々は義務教育を十分に受けられなかった人が対象だが、外国籍が約6割を占めた。日本国籍でも外国にルーツを持つ生徒は日本語能力が不十分なケースが多い。

 入学理由は「日本語会話能力の習得」(27・0%)が最も多く、「中学校程度の学力の習得」(25・3%)を上回っている。一方で日本語指導員は15校の22人にとどまる。中学教員に「日本語」の免許はなく、国語や数学などの教員が教えているのが実情だ。

 そのため文科省は、夜間中学での日本語指導の実態調査を大学や企業に委託。使用する教材や指導員の確保方法、地域の日本語教室との連携といった好事例を収集して指針に反映させる。