【ロンドン共同】米ハーバード大が英憲法の基礎となった「マグナ・カルタ」(大憲章)の複製として安値で購入した文書が、1300年に書かれた貴重な原本の一つだと分かった。英国の教授がハーバード大のウェブサイトに掲載された画像を見て疑義を持ち、調べたという。16日までに欧米メディアが報じた。
マグナ・カルタは1215年に発布された。国民や議会の権利を主張するよりどころとされ、英憲政の最重要文書の一つとなっている。1300年まで歴代の王によって国中に配布された文書のうち、20通余りしか現存していない。
英BBC放送によると、ハーバード大は1946年に27・5ドル(現在の約450ドルで、約6万5700円)で購入し、図書館で保管してきた。中世史専門の英国の教授らが、既に存在が明らかになっている1300年に書かれた原本とされる6通と比較し、鑑定した結果、本物と判明した。
原本の中にはかつて2千万ドル以上の値が付いたものもあるという。教授らは「世界で最も価値のある文書の一つ」だと考え、一般公開されることを望んでいる。