球場に掲げられている日本野球機構(NPB)の旗
 フジテレビ本社=東京都港区

 昨年のプロ野球日本シリーズ(日本S)でフジテレビの取材証を没収したのは独禁法違反(不公正な取引方法)に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会が再発防止を求める警告を日本野球機構(NPB)に近く出す方針を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。関係者によると、すでにNPBに警告内容を通知しており、意見を聞いた上で決定する。

 没収した理由は、日本S中継と同じ時間帯に大谷翔平選手らが所属するドジャースが出場する米大リーグ・ワールドシリーズ(WS)の番組を放送したことで、公取委は野球コンテンツに関してNPBと競争関係にある米大リーグ機構(MLB)などとの取引を萎縮させる対応と判断したとみられる。

 NPBは「警告の前提の事実認定や評価に重要な誤りがあり、法解釈としても疑義があるなど、当機構としては受け入れがたい」としている。

 フジテレビは日本S第1戦を他局が中継した昨年10月26日夜、日本時間で同日朝から行われたWSのダイジェスト番組を放送。NPBは、フジテレビの取材証を没収した。