日本体操協会の村田由香里強化本部長
 村田由香里強化本部長が不在だった選考会で演技する新体操日本代表=3月、味の素ナショナルトレーニングセンター

 新体操の複数の日本代表選手が村田由香里・日本体操協会強化本部長(43)から威圧的な指導を受けたとして、同協会に被害を訴えていたことが19日分かった。協会は調査で村田氏の言動や男性トレーナーによるセクハラ疑惑を把握。村田氏を一時的に休養させ、監督責任の不備で厳重注意した。「選手はパワハラ認定や罰することを望んでいない」とし、17日に続投を発表していた。

 複数の関係者によると、村田氏は練習中に怒鳴ったり、ミスがあった選手を「何で失敗したの」と叱責したりしてきた。精神状態が悪化して代表チームを離脱した選手もいるという。強化体制を問題視した4選手が、合宿中だった東京都内の強化拠点から2月に「脱走」を図っていたことも判明。

 3月に開いた選手の所属先コーチや保護者向けの説明会で、藤田直志会長が謝罪。体制の立て直しへ、サポート役に山崎浩子前強化本部長を任命した。8月の世界選手権まで責任者を務める水鳥寿思氏は、17日の会見で「コミュニケーションが十分でなく、信頼関係が構築できていない部分があった」と話した。