【ロンドン共同】英国と欧州連合(EU)がロンドンで19日、公式な首脳会合を開いた。2020年に英国がEUを離脱して以降初めて。冷え込んでいた関係の修復を狙い、安全保障・防衛に関する新たな協定を締結した。ウクライナ侵攻やトランプ米政権発足で不安定化する国際情勢の対応でも連携を強化する。
会合にはスターマー英首相、EUのコスタ大統領やフォンデアライエン欧州委員長らが出席。英EUの新たな協定では、英企業がEU加盟国の防衛関連基金を活用できるようにする。ウクライナ支援と対ロシアに関して密接に協議を重ね、合同の政策立案も模索する。
またEU離脱により複雑になった食料品の輸出入手続きを簡素化することで合意。就労などを目的とする若者らの英EU域内移動の手続きを円滑化することも確認した。
英国が20年1月にEUを離脱してから5年が過ぎ、離脱を失敗と感じている英国民も多い。スターマー氏率いる労働党政権は、前保守党政権時代に悪化したEUとの関係を立て直すため、首脳会合の開催を望んでいた。