厚生労働省が22日発表した2024年度の毎月勤労統計調査によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金の月平均は前年度比0・5%減となった。マイナスは3年連続。名目賃金に相当する現金給与総額は3・0%増と大きく伸びており、賃上げが高水準の物価上昇に追いつかない状況を示している。

 政府は14日の新しい資本主義実現会議で、29年度までに、実質賃金が1%程度上昇するのが当たり前の社会にしていくとの目標を掲げた。米国の高関税政策による景気の不透明感が強まる中、効果的な施策を立案し、目標達成できるかどうか問われる。

 現金給与総額の月平均は34万9388円。4年連続のプラスで、増加率3・0%は1991年度の4・4%に次ぐ高い水準。一方、物価の変動を示す消費者物価指数は3・5%上昇し、差し引きで実質賃金は0・5%減となった。23年度の2・2%減と比べると、マイナス幅が縮小した。

 現金給与総額の内訳を見ると、ボーナスを含む「特別に支払われた給与」が7・5%増の6万6318円で、総額を押し上げた。