レイキャビク(アイスランド), 2025年5月22日 /PRNewswire/ -- 本日『Nature』誌に発表された研究「Sequence diversity lost in early pregnancy(妊娠初期に失われる配列多様性)」によると、Amgenの子会社であるdeCODE geneticsの科学者らは、胎児の新たな変異により妊娠136件に1件程度が流産していると推定しています。つまり、世界中で毎年何百万もの妊娠が突然変異のために失われているのです。
Hakon Jonsson and Gudny Anna Arnadottir scientists at deCODE genetics and authors on the paper in Nature
ヒト・ゲノムには個人差があるものの、個人間で配列の変異がほとんど、あるいはまったく見られない場所も存在します。このことは、これらの場所の配列がヒトの発達に不可欠なのかどうかという疑問を提起しています。必須ゲノム配列の変異が神経発達障害の主な原因であることは知られていますが、それが妊娠喪失にも関与しているのかどうかは依然として明らかではありません。
北欧の共同研究の一環として、deCODE geneticsの科学者たちは、Henriette Svarre Nielsen氏とEva R. Hoffmann氏が開始した前向き研究から得られた妊娠喪失の467検体の配列を解析することで、これらの疑問に答えようとしました。
興味深いことに、科学者たちは、妊娠に失敗した胎児とその両親のゲノムを比較することによって、胎児が成人と同程度の数の新しい突然変異を保持していることを発見しました。
「数の上では大きな違いはなかったものの、喪失した胎児と成人の主な違いは、胎児の突然変異が必須ゲノム配列で起こっていることでした」と、deCODE geneticsの科学者であり、論文の著者の1人であるHákon Jónsson氏は述べています。
さらに、胎児の発育段階において、いつ突然変異が起こったかを突き止めることにも成功しました。
喪失した胎児の新たな突然変異をマッピングすることに加え、遺伝的な相性の問題から妊娠喪失のリスクが高いカップルがいることも示されました。両親から遺伝子のコピーを1つずつ受け継ぎ、たいていの場合、片方のコピーに欠陥があっても問題はありませんが、両親から欠陥のあるコピーを受け継ぐと問題が生じることがあります。
「私たちは以前、特定の遺伝子については、成人のゲノムでは欠陥のあるコピーが2つ観察されることは決してないことを示してきましたが、妊娠喪失の一部では欠陥のあるコピーが2つ見つかりました。重要なのは、このような変異はそのカップルにとって妊娠喪失の再発リスクが高いことを示していますが、体外受精治療で選別の対象とすることが可能だということです」と論文の著者の一人であり、deCODE geneticsの科学者であるGuðný A. Árnadóttir氏は述べています。
組換えとともに、突然変異が絶え間なく発生することで、私たちは種として進化することができます。しかし、このような新しい突然変異の絶え間ない流入は、希少疾患の犠牲の上に成り立っています。今回の研究は、突然変異が妊娠喪失に寄与していることを示し、ヒト・ゲノムに保存されている配列に新たな光を当てました。
アイスランドのレイキャビクに本拠を置くdeCODE geneticsは、ヒト・ゲノムの解析と理解における世界的なリーダーです。独自の専門知識と人口資源を活用して、deCODEは数十種類の一般的な病気の遺伝的リスク因子を発見しました。病気の遺伝的性質を理解する目的は、その情報を活用して疾病の診断、治療、予防の新たな方法を創出することです。deCODE geneticsは、Amgenの完全子会社です。
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(日本語リリース:クライアント提供)
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