神戸市の連続児童殺傷事件で殺害された土師淳君の父守さんが公表した手記

 1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳さん=当時(11)=が殺害されてから24日で28年となるのに合わせ、父守さん(69)が手記を公表した。次男淳さんへの家族の思いは28年が経過しても変わらないとし、なぜ大事な生命を奪われなければいけなかったのかを知ることは「親としての責務」とつづっている。

 守さんは手記で、事件当時14歳だった加害男性からかつて届いていた手紙は今年も届かなかったと明かし、「事件に真摯に向き合った上で、私たちの思いに答えるような対応をしてほしい」と呼びかけた。

 「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の代表幹事を務めた弁護士の岡村勲さんが2月に死去したことにも触れ、「犯罪被害者の権利確立を目指した活動を、強いリーダーシップで主導してきた」と回想。手記に合わせ書面で取材に応じた守さんは、被害者の環境は大きく改善した一方、実現していない犯罪被害者庁の創設など多くの課題が残ると指摘し、岡村さんの遺志を可能な範囲で引き継いでいくとした。